開局当初から在宅医療に注力しているあけぼの薬局では、
県内では初めてクリーンベンチ(無菌調剤室)を導入し、
高カロリー輸液の混合調剤を行っています。

TPNについて

十分な栄養を経口摂取できない、または腸管から吸収できない場合には、生命維持に必要な栄養素(ブドウ糖、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなど)を静脈のみから投与する方法が取られます。これは、全ての必要な栄養素を補充する輸液療法であることから、完全静脈栄養(TPN:Total Parenteral Nutrition)といわれます。TPN輸液療法は高カロリー(10%以上の高張糖液)輸液を使用するため、通常の点滴のように腕などの末梢静脈から投与すると血栓性静脈炎を起こし、疼痛、腫脹、発赤等の症状とともに静脈の閉塞をきたします。このため、心臓に近い、太くて分厚い中心静脈にカテーテルを留置し、投与します。

TPN製剤の無菌調剤・在宅訪問指導の流れ

医療機関から依頼
医療機関からの在宅TPN製剤の調製依頼
打合せ
主治医、医療従事者(訪問看護師、ソーシャルワーカー)、患者さんや家族の方との打合せ
処方箋
病院からの処方箋の受け取り(FAX可)
確認・検討
処方箋・薬剤の確認、及び薬剤の配合変化、安定性などに問題がないかを検討
搬入
TPN製剤調製に必要な無菌処理済み薬品を、パスボックスを通して、一定の清浄度を保たれているクリーンルームに搬入(クリーンルーム内に空気を取り込む際に、常時HEPAフィルターを通して室内の空気を循環させ清浄度を保っています)。
クリーンベンチ内にてTPN製剤の調整
立方フィートの中の空間に0.5μm以上の粒子数が100個以下であるクラス100のクリーンベンチを使用しています。
ご自宅までお届け
患者さんのご自宅までお届けし、在宅訪問服薬指導および薬剤管理指導
報告
担当主治医、訪問看護師への報告